プロジェクト紹介

女性活躍推進プロジェクト~私達がつくる、社員が輝く職場~

※記事中の所属部署・役職は取材時のものです。

1.「女性活躍推進」の背景

労働力人口の減少
少子高齢化による労働力人口の減少に対し、労働力を確保するため女性の活躍が必要
女性の就労人口増加(働きたい女性が増えている)
女性がモチベーション高く活き活きと働ける企業にならないと選ばれない
女性の消費力向上
女性がサービス・商品を選ぶ立場になることが多い
お客様の要望を吸い上げる、それをサービス、商品に活かすには女性の力がもっと必要

「女性から選ばれる企業」になる必要がある。

女性から選ばれる企業とは・・・

  • 女性が就職したい企業
  • 女性が活躍できる企業
  • 女性が働き続けられる企業

「女性が自身の価値観に応じたキャリアプランを実現でき、
活き活きと働き続けることができる企業風土を築く」ことを基本方針として、
女性活躍推進の取組みを進めている。

2.活動概要

  • 人事部にて上記基本方針のもと、多様な価値観に応じ「選択肢」の充実を図るため、
    採用・制度・教育・異動の視点から施策を実施
  • 女性活躍推進委員会「しずてつぽんて」の発足など

しずてつぽんて

目的女性社員自身が女性活躍推進に関わり、
社内の風土醸成や女性社員のモチベーション向上に寄与する
活動期間2014年12月~2017年3月
メンバー鉄道、不動産、ホテル、介護、管理部門等様々な部所からの公募による女性社員十数名が
役職・年齢を問わず参加

3.担当者インタビュー

坪内 真美

静岡鉄道株式会社
人事部 人事課 主任

坪内 真美

Q1.「女性活躍推進」(以下、「女活」)を始めたきっかけは?

きっかけは、2013年度、当時の社長からの「女性の活躍推進について本気で話し合いたい」というメッセージでした。人事部ではそれまで、女性に限らず職場全体の環境改善に力を入れてきましたが、労働力人口の減少に対する労働力の確保に加え、女性の消費力が向上する中、お客様のニーズや価値観を吸い上げ、それを商品・サービスに活かすには女性の力が必要で、そのためにも、女性が就職したい、活躍したい、働き続けられる、「女性から選ばれる企業」になる取組みをしていく必要があると考えたことからスタートしました。私自身は2年半の育児休業を経てちょうど復帰したタイミングでこの女性活躍推進の担当となったのですが、まずは女性社員の率直な意見を聞こうと、様々な部所の女性社員十数名を集め意見交換を行いました。その席に当時の社長もいましたが、皆さん臆することなく意見を出し合っていました。この意見交換会での意見が、人事部が取組みを進めるにあたっての基礎となりました。

Q2.「女活」での担当業務は?

「女活」の舵取りが主な仕事です。先ほど説明した意見交換会等を踏まえ、2013年度に「女性が自身の価値観に応じたキャリアプランを実現でき、活き活きと働き続けることができる企業風土を築く」という基本方針を掲げました。この基本方針に向け、施策を企画し、実行していくのが仕事の進め方ですが、まずは現状の課題を洗い出し、ありたい姿とのギャップを見つけ、それを解消するよう施策を検討します。ここで活きてくるのが2014年12月に発足した女性活躍推進委員会「しずてつぽんて」(以下「ぽんて」)の意見です。私自身は「ぽんて」の事務局的な立場でもあるため、「ぽんて」から出た意見を参考にしています。実際に、「ぽんて」の意見が両立支援や休暇に関する制度の改定につながりました。

ぽんて「ぽんて」とはイタリア語で架け橋の意味。
「一人ひとりの幸せや、やりがいへの架け橋」「会社と社員」「社会と会社」等、さまざまな架け橋をつくっていくという決意を込め命名。

Q3.最近の「ぽんて」の活動状況は?

「ぽんて」がスタートして一年頃、これまでの意見を提言としてまとめ、経営層に伝えたいと考えており、2016年1月、社内の経営会議で発表をしました。意見提言をまとめ上げるまで、メンバー間で議論を重ねました。「ぽんて」の考える女性活躍推進のあるべき姿は何か…現状の課題は何か…それに対して会社はどうしていくべきか、どうしていってほしいか…
「ぽんて」メンバーや人事部がこれまでに吸い上げてきた女性社員の意見と想いを、提言に盛り込みました。内容としては、「イクボス(下記注釈参照)」推進や、育児・介護など制約のある社員を含めたより多くの社員が多様な働き方ができるよう様々な選択肢を増やすことなどです。会議当日の「ぽんて」メンバーによる発表に対し、経営層から前向きな発言をもらい、「ぽんて」の活動の必要性をしっかりと認めてもらえたと思います。
なお、人事部の立場に戻ると、これからこの「ぽんて」の意見提言に対する施策を検討し、計画・実行していくのが私のミッションです。すべてをすぐに実現するのは難しいかもしれませんが、冒頭の基本方針に向かい、できるだけ社員の声に応えていけるよう取り組んで活きたいと考えています。

「イクボス」とは・・・
部下の能力を最大限に引き出して育(イク)成し、自らも輝くボスのこと。職場で共に働く部下・スタッフのワーク・ライフ・バランスを考え、その人 のキャリアと人生を応援しながら、組織の業績も結果を出しつつ、自らも仕事と私生活を楽しむことができる上司(経営者・管理職)。

Q4.制度の改定など、形になったものは?

2015年8月に「育児のための短時間勤務制度」を改定しました。それまでの対象は、子供が3歳未満まで利用できる形でしたが、女性の考え方、価値観、家庭の状況は様々ですので、選択肢を増やす意味で対象年令を9歳(小3生)までへ引き上げました。また、育児休業からの取得率や復職率も、ここ3年100%をキープして、復職が当たり前になってきています。積み重ねがようやく実を結んだ想いです。育児を理由に退職してほしくないと思いますし、これから入社する女性も、これらの取組みに共感し入社の動機につながれば嬉しいです。

Q5.業務をする上で大切にしていることは?

普段から周りの人の意見に耳を傾けるようにしており、特にこの業務では「ぽんて」の皆さんの意見をしっかり聞くように心がけています。私は「ぽんて」のメンバーでもあり、人事課の「女活」担当でもあります。立場上、相容れない場合であっても、人事課目線で意見や想いをつぶしてしまっては意味がありません。すぐに応えが出せなくとも、良い方向へ導ければと思っています。また、個人としては、2度育児休業を利用し復職している経験から、「やりがいを持って働き続けるには何が必要か」を普段から考えています。当事者としての感覚も業務に生かしたいと思います。

Q6.最後に願いを

一番は、女性社員が今以上に活き活きとやりがいを持って活躍し続けられる企業になることを切望します。そのためには、男女問わず一人ひとりが会社の課題である女性活躍推進に対し意識を高く持って行動していくことが必要だと考えています。
さらに、意識という点で加えてお伝えすると、「女活」と同様に進めている、「仕事と育児の両立支援」の取組みがあります。この取組み推進により一定の基準を満たした企業は、厚生労働大臣認定の「くるみんマーク」が取得できるのですが、静岡鉄道では、この認定を3度受けています。静岡県内の民間企業で初めての3度目の認定であり国から認められた子育てサポート企業という誇りを社員一人ひとり意識し、仕事と子育ての両立についても、他人事ではなく自分事として捉えてほしいと思います。
そして、女性や育児中の社員に限らず、すべての社員がワーク・ライフ・バランスを実現でき、活き活きと働き続けられる「選ばれる企業」になっていってほしいと思っています。

くるみん

くるみんマーク認定

『子育て支援企業』として3回の認定。仕事と子育ての両立支援に積極的に取組む企業として、2010年、2012年、2016年に厚生労働大臣の認定をいただきました。
くるみんマークについて詳しくはこちら(厚生労働省HP)

米澤 佑梨

静岡鉄道株式会社
人事部 人財開発課

米澤 佑梨

Q1.女性活躍推進委員会「しずてつ ぽんて」は立ち上げから関わっているそうですね?

はい。2014年から、制度の見直し、教育を進めていこうという時でした。なかなかまとまらなかったり、会社と現場間の意見のずれを感じたりする中、人事部内で意見があがりました。「会社を変えたいという意識のある女性社員に集まってもらい、定期的に意見交換を実施できる場があったほうが、スピーディーに進められるのでは?」、「現場の意見を知っていればギャップが生じないのでは?」…など。そこから、同年12月に「しずてつ ぽんて」を立ち上げました。こだわったのは、「会社を変えたい」、「意見を伝えたい」と考えている女性社員がメンバーであること。意識とモチベーションが高く、参加することが彼女たちの活躍につながればと考えました。自主的な参加者を募るためあらゆる部署へ足を運び、「委員会を立ち上げるのでメンバーになりませんか?」と思いを伝えました。最終的に11名のメンバーが共感し参加してくれました。最初の3年間は「女活」の取り組みのベースとなる社内の風土を変えていくことを目標とし、活動をしております。

Q2.「女活」での業務内容は?

教育(研修)を通じて風土づくりを進めています。その時々の、状況や課題をつかんだ上で研修企画をしています。例えば、初年度は、ひたすら「女活」の取り組みを認識してもらえるようになることを目指し、今年は、「女活が会社の将来に大きく寄与すること や「経営戦略としての“女活”の必要性」を訴えてきました。今夏の研修では、自動車部品メーカーの経営者をお招きし、講話いただきました。同社は男性色の強い企業でありながら、ダイバーシティを推進しています。社内環境が近しい企業の成功事例は、当社の管理職に響くだろうと思い、願いも込めて企画しました。研修の企画は、できるだけ自分事に落とし込める内容であること、必要性を伝え続けることを大切にしています。

Q3.現状の悩みや今後の課題点は?

「女活で行う研修は、普段のスキルや知識を学ぶ研修とは違います。「女活」の研修では「なぜこの取り組みを行う重要性があるのか?」という“なぜ=Why?”の部分を伝えることが大切です。「女活」は会社の将来を考えた取り組みです。未来を見据え、社員の意識改革を進めています。しかし「女活」の存在は少しずつ認知されつつも、まだまだ一部の方々には他人事。まずは自分事として捉えてもらうことが課題ですね。「ぽんて」にも意見をもとめ、研修の内容や進め方を考えていきたいです。

Q4.「女活」がスタートして3年目。その効果は?

1年目と比べて少しずつ会社が変わってきていると感じています。研修を受講した女性社員から、以前よりも「前向きに仕事ができている」「自信を持てるようになった」と聞くと、そうした効果が少しずつ感じられ、続けてきて良かったと思いました。よく、一人ひとりの声は小さくても集まれば大きな力になるといいます。まだまだ時間は掛かりそうですが、会社の未来に向かって、続けていきたいです。

Q5.これからの静岡鉄道、「女活」への想いは?

「子育て世代」と、よばれる年齢層は現在はそれほど多くありませんが、近い将来その層は確実に拡がります。安心感と信頼感とともに、制度の利用者も増加し拡がって欲しいと思います。そのためにも、働き方の多様性を受け入れる意識や環境が“風土”として成熟していってほしいと思っています。ゆくゆくは、「女活」という言葉がなくなるほど、一人ひとりの特長を活かすことができる企業であり、性別関係なく社員が活き活きと働いている企業にしていきたいです。