この記事でわかること
- 静鉄グループにおけるグローバル採用の考え
- DE&I推進に関する取り組み
はじめに:『グローバル人財』という呼称について
『グローバル人財』という呼称は、「異文化や言語の壁を越えて、世界で活躍できる人材(日本人)」という定義が世間一般の認識です。しかし、静鉄グループでは「勇気を出して日本で働くことを決めた海外の方もグローバルに活躍している」という考えから、『グローバル人財』に呼称を統一しています。日本以外から見れば静鉄グループも海外企業であり、挑戦の場である。異なる視点から物事を見てみることが、DE&I(※)への第一歩ではないでしょうか。
※DE&Iとは、多様性(Diversity)、公平性(Equity)、包摂性(Inclusion)を意味する言葉です。組織で働く多様な人材が、状況に合わせて必要なサポートを受けながら、一人ひとりが特性や強みを活かして最大限のパフォーマンスを発揮し、経営成果につながっている状態を目指す考え方です。
■先日、グループ内での交流会があったとお聞きしました。その時の様子を教えてください。
9月に、オンラインでグローバル人財のグループ内交流会を開催しました。この交流会は、グローバル人財同士の繋がりを深めることを目的としています。2023年度にも食事会を開催しており、人事担当者を含め約20名が集まり、親睦を深めました。また、プロスぺラ学院ビジネス専門学校(静岡市駿河区)による合同説明会に参加し、日本企業で働くためにビジネススキルを学んでいる学生と交流しました。今後も、採用活動を通じた海外の方との交流や、入社後のサポートなど様々な取り組みをしていきます。
■グローバル採用の意義・目的について教えてください。
企業がDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を推進するうえで、グローバル採用は重要な役割を担っています。どうしても似通った考えが増えていってしまう企業に、日本とは異なる文化や価値観を持つグローバル人財によって新たな考え方が加わることで、選択の方向性を増やすことができるのではと考えています。また、グローバル人財は、従来の認識であった単なる労働力ではなく、様々な個を持った輝ける人財です。「違って当たり前」を楽しみながら受け入れていく。そうして違うもの同士を組み合わせていくと、さらにおもしろいことができるのではと私は思います。
■静鉄グループのグローバル採用の現状について、どのようにお考えですか。
当社グループでは、様々な職種でグローバル人財がいます。海外からの採用は今後も引き続き推し進めていきたいと考えています。海外の方は日本のアニメやドラマを小さいころから見ており、日本に馴染みがあって好意的です。一方で、受け入れ側の考え方や体制にはまだ改善の余地があると思っています。体制や制度の整理、受け入れ側の社員の理解をどう得ていくかが今後の課題だと考えます。
■グローバル採用を進めるうえで、苦労していることを教えてください。
苦労しているのは、ビザや入管手続き、法律への対応です。海外の方と日本の方で、採用する際の条件や法律が異なることが多いです。グローバル採用に関する法律を遵守するために、体制や制度を整備しなければなりません。
また、当社グループの経営理念である「安全・安心・快適のあくなき追求」をグローバル人財にどう浸透するかという点も重要なポイントです。価値観や文化が違えば、「安全」の基準や捉え方も変わります。当社の「安全」に対する意識をこの先も揺るぎないものにするため、常に考え続けなければなりません。
最後に:DE&I経営を目指して
当社ではこれまで、「DE&I推進委員会」の立ち上げや、心理的安全性の向上、育児との両立を支援するための新制度導入、介護との両立を支援するための社内セミナー、外国籍の従業員による多文化理解促進イベント等を実施してきました。
静岡鉄道は、性別・年齢・障害・国籍などの属性、ライフスタイル、職歴、価値観などに関わらず各々の個を尊重し、認め合い、良いところを活かすマネジメントを推進し、誰もが活躍できる組織づくりを目指します。
静岡鉄道 取締役 杉澤恒