この記事でわかること
- 人気アニメとのコラボ企画に至った経緯
- コラボ企画実現に向けた社員の仕事
- 新たな挑戦をした社員の想い
目次
「大好きな作品×鉄道」のコラボを考え続ける日々
もともと私はTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』(以下、ヒロアカ)が大好きで、人事部にいた3年ほど前からヒロアカとのコラボを思い付いていたんです。その後、鉄道部に異動してからも「鉄道と何かできないか」と考え続ける中で、当社の資源である車両カラーがキャラクターの色とマッチするのではないか、車内のアナウンスも、主人公、緑谷出久の声優・山下大輝さんにお願いできれば絶対に面白いものができるのではないかと思い至りました。
そこから、イベントや限定グッズにホテルの宿泊プラン、ヒロアカファンで知られる霜降り明星 せいやさんとのコラボといったアイデアも追加。有難いことに、企画段階で思い描いたものはスケジュールも含めてほぼそのまま形になっています。予定と違ったのは “思った以上に反響が大きかった” という点でしょうか。
たった3名でも「やれる!」と信じて疑わなかった
今回、ビジュアルの描き下ろし・描き起こしをしていただくにあたり、表情やポーズ一つ取っても、こちらの希望を詳細に伝える必要がありました。毎晩目をこすりながらアニメをコマ送りで見ていき、何話のどの表情が適しているかを選定、提案させていただいて、細部まで調整していくことを繰り返します。
その後、ヒロアカの製作委員会からのラフ画を頂戴したときには、メンバー間で大きな歓声が上がりました。自分たちがイメージしたものが、世界的に有名な作品の絵として上がってくるわけですから、これだけでもう十分満足と言えてしまうくらいの大きな感動がありましたね。
この規模の企画になれば、通常は広告代理店が間に入るのだと思いますが、プロジェクトメンバーは私を含めて社員3名のみ。毎週開催の製作委員会や複数のスケジュール・タスク管理などをこなす日々は想像以上にハードでしたが、当時は「やれる!」という思いしかありませんでした。
情報解禁直後にやってきたのは、想像をはるかに超える反響の大きさ
1月10日の情報解禁日―。社内の反響もさることながら、SNSでの反応がとにかく凄くて。公式アカウントに投稿した瞬間から、1秒間に100単位で「いいね」数が増えていくわけです。結果、公式アカウントの投稿は283万PV、3.9万「いいね」を獲得して、本当にあの瞬間は震えました。
やっと情報が出せたという安堵もありましたが、この1年間、社内ではプロジェクトメンバーと上層部しか知らない。誰にも意見を聞けない環境で、私がすべてを主動するのはかなりの重責です。会社としても大きな案件であり、かつ静岡での実施に世間がどの程度興味を持つのかも分からない。失敗はできない…。眠れない朝も何度か迎えました。
今回の企画に「朝の車両撮影会」があるのですが、早朝に撮影会ができるほど外は明るいのか?という疑問が上がった際には、できます!と自信をもって答えることができました。これは眠れなかった日々のおかげです(笑)。
「静岡の活性化」「静鉄社員のエンゲージメント向上」に何ができるか
私が静岡鉄道に入社を決めたのは、採用選考時に聞いた「静岡鉄道の使命は、静岡を元気にすること」という言葉が心に刺さったから。
今回の人事部から鉄道部への異動時には、上司から「鉄道部のエンゲージメントを上げてほしい」と言われました。
静岡の活性化、そして鉄道部員、ひいては当社従業員のエンゲージメント向上。この二つの実現を考えたとき、当企画は大きな機会となり得るのではないかと思ったんです。
そこで今回、キャラクターが静岡鉄道の制服を着用することに最もこだわりました。ヒロアカのキャラクターが自社の制服を着るなど、滅多にないこと。きっと家族や友人に自慢できるのではないでしょうか。
静岡鉄道はこうしたことができる会社なのだと社員が感じ、さらに県外からも多くの方々が静岡に来てくださって、静岡が元気になっていく。そうすれば、私が今回やりたかったことが終着するように思います。
目の前の仕事に誠実に。信頼関係を積み重ねた先にあるものは
ただ、奇抜なアイデアが何でも通るということではありません。目の前の仕事に誠実に対応をして、信頼関係を積み重ねていく。そうすれば間違いなくどこかのタイミングで、自分が考えたこと、叶えたいことに耳を傾けてくれる。静岡鉄道はそういう会社であると思っています。
そして何より、過去の先輩方を含めて有責無事故を60年以上続けている「安全安心」な会社であり、そのために働いてくれている社員がいるからこそ、このような企画ができる。入社を検討されている方には、静鉄社員は皆、安全安心を担う企業の代表という意識をもって働いていることをぜひご理解いただけたらと思っています。