この記事でわかること
- 法改正を契機に生まれた、企業向け介護相談支援サービス「しずてつケアレイル」の背景と仕組み
- ケアマネジャーによる専門的・迅速な対応で、介護離職を未然に防ぐ具体的な支援内容
- 社会課題解決と事業性を両立させながら、新規サービスを推進する仕事のやりがいと成長環境
法改正によって想定された企業側の課題。静鉄にできることは何か?
「しずてつケアレイル」は、2025年4月の「育児・介護休業法」改正と同時期にリリースしました。

法改正により、企業には「従業員からの介護に関する相談窓口の設置」といった「介護離職防止のための雇用環境整備」が義務化されました。
しかし、そもそも一対一で企業側が相談者(従業員)の介護相談を聞くだけでも容易ではない上に、
専門的な知識も有する必要があるとなれば、企業側の大変さは想像に難くない。
そこに、当社のもつリソースがお役に立てるのではないかと考えました。

当社は高齢者福祉事業に約20年前から取り組んでおり、居宅介護支援事業所を3カ所(2026年2月より4か所)展開しています。
雇用するケアマネジャー(介護支援専門員)の数も、市内の民間企業の中でも25名以上と最多(2025年12月時点)。
実質的なご相談に乗るための土壌がほぼ出来ていたところに、法改正のタイミングが重なりました。
まさに「必然的に生まれたサービス」といってもいいかもしれません。

介護と仕事の両立における最大の課題は「相談先がない」こと
介護と仕事の両立を図る上での最大の課題は、当事者の方が周りに相談できないという点です。
たとえば親が認知症になり昼夜目が離せない、という状況を他人、ましてや会社側に話すのはかなり難しい。
誰にも相談できない中で「介護離職」という究極の選択をし、介護に明け暮れて抱え込み、
親も子もやがて崩れる…というのが本当によくあるパターンなんです。

「しずてつケアレイル」がお役に立てる部分は、まさにそこだと思っていて。
しずてつケアレイル導入企業様の窓口に従業員ご本人様からご相談が入ると、そこから先は当社のケアマネジャーが直接対応します。
このケアマネジャーという「介護の道筋まで描ける専門職が対応する点」が当社の強みで、
豊富な経験と知見をもとに適切な介護サービスが分かったり、
異動や雇用形態の見直しなど新たな働き方の可能性が探れたりするんです。

このサービス自体は割と先駆的な取り組みになるので、まだピンと来られていない企業様も多いかもしれません。
相談件数は導入してみなければ分からないですが、逆にいうと、相談数を増やしましょうというものでもないんです。
「会社に相談していいんだ」という雰囲気が少しずつ醸成されることで「突然の離職」を防止する側面もあるので、
効果が見えるまでに時間がかかることもあると思います。

ただ、社会や会社の育児支援がこの10年で大きく発展してきたように、介護に伴う悩みや支援ニーズも今後確実に増加していくと思います。
なぜなら、今は出生数より介護が必要な人の数のほうが上回っているからです。
そのような意味では、将来に備える保険的な役割としても有効だと考えています。
まだ介護離職に直面していない企業様は「今は表面化していないだけで、おそらく介護しながら働いている社員もいる。
その社員たちにも安心して働いてもらいたい」ということで導入を決められる場合もある。
つまり「会社として従業員を大切にしているというメッセージにもなり得る」という観点から選んでいただいているパターンもあるんです。
いただいたご相談に関しては、ケアマネジャーの人数が多いことからスピーディーかつ、ある程度の量にも対応できると自負しています。
質、量、速さ、価格面でも、費用対効果を考えるとご期待に沿える商品だと考えています。

「あなたたちがいたから救われた」。その言葉の重みを感じながら
当サービスは企業の制度が関わってくるものなので、導入までに時間がかかる点は、当初想定できていませんでした。
しかしいざ導入すると「助け舟のようだ」とのお声をよくいただきます。
「あなたたちがいて助かった」「救われた」と言われることが非常に多いんですよね。
4月の法改正で企業に介護離職を防ぐ対応が義務付けられる これを受け静岡鉄道が始めた新たなサービスとは (Youtube)
世に存在するサービス、商品はどれも人の役に立つものではありますが、このサービスやウェルネス事業部はその色が一層濃いものだと思っています。
ビジネスに終始しない、人と人との繋がりを感じながら、そこで暮らすお一人おひとりの生活そのものを救うことができる。
そこに非常に意義ややりがいを感じています。

事業部のスタッフは当サービスを前向きに捉える人が多く、だからこそ質も高い。日ごろからとても丁寧にご対応していただいているのですが、
日々の業務の中ではそれが当たり前になり、自らの価値を見失ってしまいがちです。
なので、いい意味での自己効力感を高めていけるよう私から働きかけることも重要だと感じます。
「しずてつケアレイル」はスタッフの質の高さやスピード感で選ばれているわけですから。

この事業部で学んだことは、たとえ大変なことであっても気持ちよく協力したいと思ってもらえるような「一緒に巻き込んでいく力」の必要性です。
現場スタッフの協力なくしては成り立たないサービスゆえに、どれだけリスペクトをもってお願いできるかも重要だと日々感じます。
静鉄は「知らなかった自分の強みに気付ける企業」だと思う

当社は幅広い事業を手掛けている分、想像もしていなかった仕事に携わる機会も非常に多いと思います。
そうして適性が磨かれていくことで、思ってもみなかった自らの強みに気付けるのではないでしょうか。
私自身、実は人の動かし方や組織全体を考えるのが苦ではなく、逆にそれが強みであると気付けた。これは大きかったと思います。
社会課題を解決したい学生の方には、現場視点と会社視点のバランス感覚が大切だとお伝えしたいですね。
例えば「しずてつケアレイル」も社会課題に挑戦した商品ですが、事業である以上は収益性を考えることも非常に重要です。両者をどうブレンドさせていけるか。
実際に活躍されているのは、そんな方だなと思います。
「しずてつケアレイル」は静岡市内を中心に導入企業が増え、私どもにご相談可能な従業員様の延べ人数は1万人を超えました(2025年12月時点)。
しかし、まだ走り出したばかりのサービスです。介護離職防止という社会課題を解決するためにも、静岡市内はもとより県内外の方々にもご導入いただけるよう、
同時に、静鉄グループの事業全体を知っていただく機会創出ともなるよう、チャレンジしていきたいと思います。










