この記事でわかること
- グループ会社(静鉄リテイリング)で仕事内容
- 経営管理部の仕事内容
- ゼネラリストとしてのキャリアの積み重ね
目次
業態とそこで働く「人」に惹かれ、静鉄リテイリングへ
静鉄グループの一つである静鉄リテイリングは「新東名静岡SA(サービスエリア)」の売店を手掛けています。観光向けの小売業に興味があったことや、当時お話を聞いた社員の方の人柄にも惹かれたこともあり、人事交流としてグループ会社の静鉄リテイリングに配属希望を出しました。
入社後、配属となったのは24時間営業の静岡SAの売場。夜勤もあるシフト制販売スタッフとしての勤務だったので、ハードな2年間でした。同時に社会人としての「いろは」を教えていただいた、とても貴重な時間だったといえます。
「お客様がつい手を伸ばしたくなる売場」をどう作るか。マーケティングに戦略、販売を一人でこなす
売場では、B to Cで売上を作る大変さを身に染みて感じました。
当時私は月ごとに重点的に販売する商品を決める担当だったのですが、販売目標、売場の作り方や販売戦略、取引先への原価交渉、これらすべて自分で考えて実行するわけです。手軽に買える商品を売る小売業だからこそ、売場を少し変えるだけで売上に直結し、数字に反映される。正解、不正解が翌日にはわかる、そんな仕事でした。
印象に残っているのは、店長の「お客様がつい手を伸ばしたくなる売場をつくる」という言葉。買ってもらうのを待っていても売上は作れないと。そのため、季節やお客様の動向などあらゆることにアンテナを立て、とにかく戦略を練る日々でした。
たとえば「そうめん」。お茶、みかん、桜エビを練り込んだそうめんをこれまでの単体からセット販売に切り替えたところ、前年の3~4倍の売上になった。これは嬉しかったですね。逆に失敗したものももちろんあって、多くの失敗と成功を重ねた2年間だったと思います。
初めての異動で未経験の給与計算担当に。「業務改善表彰」を受賞して
入社3年目に異動になったのは「給与計算」を行う部署。未経験に加えてミスが許されない業務でもあり、業務を進めながらスキルを習得していきつつ一人でグループ3社を担当するのは大変なことでもありました。
それでも当時の所属長が “業務の標準化・効率化に向けてやり方をどんどん変えていい”という方針だったこともあり、通常業務の傍ら、基本的な業務フローの見直しやエクセルのマクロ機能を活用した業務の自動化などにも着手することができたんです。
また、人事給与の基幹システムを一新しようとするタイミングでもあったので、計画段階からコロナ禍を挟んでの実装、導入後のメンテナンスまで含め、導入チームメンバーとして約2年弱を駆け抜けました。
この取り組みが評価され、2022年に人事基幹システム導入チームとして「業務改善表彰」を受賞、2023年度には人員が安定しない中でも品質を落とさない業務を推進したことが評価されMIP(Most Impressive Person)賞を受賞しました。大変光栄に思いますし、このときの経験が自身のスキル向上にも繋がったと感じています。
※MIP表彰は、業務において最も印象的に残る行いをし、会社の成長に寄与した従業員へ贈られる従業員表彰です。
経営状況を従業員にもわかりやすく。月次動画のユニーク編集で三度目の表彰
2023年から経営管理部 経営管理課に所属し、現在は主に各事業のプロジェクト収支管理、年度計画および中長期経営計画の策定を担当しています。
グループの経営全体に関わる非常に大きな業務ゆえに他部署との連携が重要なのですが、ここで活きているのは、やはり入社1~2年目の静岡SAでの経験。当時外部の方々に協力を依頼することが数多くありましたが、ここで得たコミュニケーションスキルがかなり活きています。
2024年には、「月次動画」をユニークに編集したことが評価され「MIP(Most Impressive Person)表彰」をいただくことができました。
この「月次動画」は経営の透明性向上を目的に、従業員にも会社の経営状況を伝えていこうと毎月配信されていたもの。私がこれを引き継いだのですが、ちょうど中間決算が終わり年度決算の見通し時期でもあったので、月次の情報に加えて決算の見通しもわかりやすく伝えられないかと考えました。
そこで実施したのが「決算の見通しを天気予報のように伝える」という手法です。
数字だけ伝えてもイメージが湧きづらいと思い、「それなら見通しと予想をかけて、天気予報みたいに伝えよう。事業が好調なら晴れマーク、不調なら雨マークで見せればわかりやすい。」と考え、自ら編集・配信をしました。
動画を見た方から実際に「面白かったよ」「わかりやすい内容だった」と声をかけてもらえると、とても嬉しかったですね。
現場一人ひとりの声を聴く。全社方針は「みんなで」作っていきたい
今後の目標ですが、まずは2026年度から始まる次期中期経営計画。自身の財務知識のスキルアップはもちろん、お客様に選ばれる静鉄グループとなれるよう、全社の方針を我々管理部門だけでなく「全社みんなで作っていきたい」と考えています。とくに注力しているのは、現場の担当者の声を聴いて次期中期経営計画の編成方針を決めること。実はこれが大変かつ地道な作業にはなるのですが、現場では従業員一人ひとりが「お客様第一優先」や「静鉄ブランド」を意識しています。そういう現場から出る意見を反映させていきたいんです。
自身のキャリアについては、人と話すのが好きな分、現場の空気をまた肌で感じたいと思う一方で、これまで培ってきた財務等のスキルは活かしていきたい。まだ明確には描けていないのですが、たとえば現場を統括するような職務だったり、今の財務知識をさらに伸ばしていける業務だったり…。
いろいろな可能性を考えていけたらいいなと思っています。
以上、静岡サービスエリアの売店勤務でコミュニケーションやマーケティングのスキルを磨き、現在は経営管理部経営管理課のメンバーとして、現場目線やこれまでの多様な経験を活かして現状を改善し新たな価値を生み出している小林さんにインタビューしました。
2018年5月~ 人事部 人事課(グループ会社の静鉄リテイリングに人事交流)
2020年4月~主計部 業務二課
2022年4月~ 経営管理部 主計二課
※この記事は、2024年11月に取材したものです。記事中の内容や社員の所属部署・役職は取材時のものです。