この記事でわかること
- 静岡鉄道の沿線活性化に関する取り組み
- 駅ビルリノベーション施設「SHiiiTO」の概要
- まちづくりへの想い
「OTOWA FOOD HALL SHiiiTO」とは
静岡鉄道の「音羽町駅」を降りると、築40年以上のちょっとレトロな「静鉄音羽ビル」があります。
駅直結のビルの1階部分には、以前は静鉄グループのスーパーマーケットの店舗が入居していましたが、地域のニーズに応え今では小型店舗の形態にリニューアル。
その空きスペースに2024年3月にオープンしたのが、「OTOWA FOOD HALL SHiiiTO(シート)」です。
既存の建物をリノベーションし、地元の飲食・物販店舗が入居する飲食商業施設に生まれ変わりました。
コンセプトは「Accent to everyday life(アクセントになる居場所)」
施設内には多様性を体現するような色も形も異なる温かみのある家具をそろえ、施設に訪れる人の生活のアクセントとなりつつ、これまで音羽町にご縁がなかった人たちにも訪れてもらえるような居心地の良い空間がデザインされています。
「みんなでつくる 日常が特別な街」をカタチに
「SHiiiTO」は、しずてつグループによる沿線活性化の将来構想のひとつである「しずてつ未来プロジェクト」の一環として不動産ソリューション事業部 事業戦略課によって企画・開発がすすめられました。
「しずてつ未来プロジェクト」とは、静岡に新たな価値やサービスを提供していくことを目的に、沿線の将来ビジョンやコンセプト、アクションプランが示された静岡鉄道静岡清水線沿線の将来構想のことです。
これまでも、「みんなでつくる 日常が特別な街」というコンセプトを掲げて、沿線の活性化に取り組んできました。
例えば、静岡鉄道が運営するシェアオフィス・コワーキングスペース「=ODEN」やシェア型社員寮「SUBACO」も「しずてつ未来プロジェクト」の一環です。
「SHiiiTO」という名前に込められた想い
施設名の「SHiiiTO」には、”お気に入りの座席を見つけることでつい足を運びたくなり、つい長居してしまう施設になるように。” という想いが込められています!
Shi ⇒ ・静岡、静鉄、しずてつ未来プロジェクト
iii ⇒ ・新静岡駅から3駅目
・人が集う様子を表現
・I(私)のお気に入りの席(シート)を見つけてもらう
・3つ並べることでアクセントとなり楽しさを表現
TO ⇒ ・SHiiiTO 「と」 ○○
・SHiiiTOから○○へ(to○○)向かう。
「人の顔が見える、人とつながる場所」
単なるリノベーションや不動産開発で終わりでないのが「SHiiiTO」の特徴です。
それは、地方の鉄道会社として長期的に沿線の地域に関わり、再開発に取り組む必要性があるのではとの想いからです。
自分たちも一歩地域に踏み込んで、沿線のまちづくりに取り組んだ背景としては、
目の前の不動産賃料の最大化ばかりを考えてしまうとどんどん「街」が消耗してしまい、地方のロードサイドがどこも同じような街並みになっているように、一歩路地を入ったような場所でも同じような現象が起きてしまうのではないか。そして地域の魅力的なお店がなくなっていってしまうのではないか・・・
そんな危機感がありました。
オープン後には、「人の顔が見える、人とつながる場所」を目指して、テナントさんや地域のステークホルダーと連携した様々な仕掛けを行っています。
これまで、学生さんとのコラボ企画や、地元の鋳物と日本酒イベント、e-スポーツ体験会などを幅広い企画を実施してきました。
イベントの参加者が「今度は自分もこんなことやってみたい!」とどんどんアイデアが広がっていくのも面白さのひとつです。
プロジェクト担当者の声
不動産ソリューション事業部 事業戦略課 大橋さん / 入社8年目(2024年11月時点)
今回のプロジェクトはゼロからイチをつくった初めての経験でした。
「静鉄音羽ビル」の空区画活用を任されたとき、お酒好きなので行きつけのクラフトビール専門店に相談に行きました。一番に「SHiiiTO」への出店を決めてくれたテナントさんでもあります。
お酒にかかわる仕事がしたいと言っていましたが、こんな形実現できるとは思っていなかったです。笑
プロジェクトを進めるうえで大切にしていたことは、”想いを共有すること”。
「静岡を盛り上げたい」というビジョンを掲げ、そのためにみんなの力が必要なのだと周囲と想いを共有し、こまめにコミュニケーションをとるよう心掛けました。
テナントさんも、施工会社さんも全ての関わってくれる人たちのモチベーションを高めることで、みんなが”自分たちでこの空間をつくっていく”という気持ちをもって挑めました。
ついにオープンを迎えた日には人がいっぱい来てくれて嬉しかった一方で、「ここからが始まりだな」と身が引き締まる思いでした。
これからも地域の方々との共創により、「SHiiiTO」に行くと顔見知りが増える、居心地が良いと思ってもらえるそんな場所にしていきたいです。
沿線駅前立地における不動産開発のブランドづくりの一例として、今後他の駅にも展開していけたらいいなと思います。
OTOWA FOOD HALL SHiiiTOの詳細はこちらから