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「越境研修」で、地元企業と共にまったく違うフィールドの課題解決に挑む

UPDATE:2024.02.29

2021年に始動した当社主体の「越境研修」は、地元企業と共に約4カ月かけてチームごとの課題解決に挑むというもの。今回は静岡市内のものづくり企業5社と連携し、企業の抱える課題のヒアリングやフィールドワークを行い、解決に向けた提案や実践に挑戦しました。本研修に参加した入社4年目の経営管理部 小俣春菜さん、不動産ソリューション事業部 望月勇希さんと、伊豆川飼料株式会社 取締役の伊豆川剛史さんにお話を聞きました。

この記事でわかること

  • 静岡鉄道が取り組む越境研修とは
  • 研修を通した地域との繋がり
  • 若手社員が圧倒的当事者意識で取り組む課題解決

与えられたのは、静岡の発展に関わるスケールの大きな課題

 

一緒に越境研修に取り組んだ同期のふたり

 

小俣さん「研修には、静岡鉄道、静鉄プロパティマネジメント、JA静岡中央会の3社の若手社員が参加。我々4名と1企業がチームを組み、2023年11月開催の『静岡工場博覧会 ファクハク』(静岡市内25社による一般向けオープンファクトリーイベント)に向けた課題解決に取り組みました。

当初はイベント関連の課題を設定するのだと思っていましたが、我々の伊豆川飼料チームは、かなりスケールの大きな課題をいただいたんです」

 

伊豆川さん「自社で抱えている課題を一緒に解決したいと。当社はツナ缶製造時に出る加工残渣(ざんさ)を飼料・肥料にしており、この有機肥料で静岡の美味しい農作物が作られています。つまり静岡の水産加工業と農業はツナ缶でつながっているのですが、物価高の影響もあり、流通しているツナ缶の約半数が安い輸入品。

静岡の水産加工業、そして静岡全体を何とかしなければという課題に、若い世代の視点をぜひ取り入れたいと思いました」

 

今回の越境研修にご協力くださった伊豆川飼料株式会社の伊豆川さん

 

望月さん 「4カ月での目標達成は難しいので、課題を細分化。ファクハクで、国内におけるツナ缶市場の抱えている課題を周知することにゴールを置きました。

10月に新静岡セノバ入口で開催したファクハクのプレイベントでは、国産品と輸入品のツナ缶食べ比べを道行く人に実施。同時に、ツナ缶購入時にどういった観点で選ぶかというアンケート調査も行いました。食べ比べでは圧倒的に国産を選ぶ方が多かったですね」

 

考える前にまずやってみる。そこからプランしていく

 

望月さん 「静岡全体を巻き込むイノベーションのような大きな課題に、我々がどうアプローチできるのか…。

最初は想像することすら難しかったのですが、打合せを重ねるうちに伊豆川さんの考えや価値観などを理解していき、プレイベント直前からやっと『周知活動』というゴールに向け手を動かした形です。ここまでの過程はやはりとても大変でした」

 

小俣さん 「伊豆川さんに最初お会いした時に、“僕は仕事を断らないイエスマンだ”とおっしゃって(笑)。こうと決めたらまずやってみるということなのですが、顕著だったのは、プレイベントとファクハクの前日に、やりたいことがあれもこれもとポンポン出てきたとき。直前にも関わらず伊豆川さんは『いいね、それやってみよう!』と我々の提案を受け入れてくださったんです」

 

オープンファクトリー当日の様子

 

望月さん 「研修初日のインプットにおいて『PDCAを回す前に、小さなdをまずやってみる。そこからプランしていくという考え方で研修に臨んでほしい』と伝えられていました。分からないまま走った結果、考える前にやってみたことが多かった。スモールdを数多くできたのは、伊豆川さんが我々の提案をすべて受け入れてくださったおかげです」

 

最も大切なのは「圧倒的当事者意識」

 

伊豆川さん 「皆さんの提案は突然の思い付きではなかったですよね。ほぼプライベートで新潟の『燕三条 工場の祭典』を見に行って、こんなものを見たが活かせないか?といった提案もしてくれた。当社と同じ視点に立ってこそ出てきた提案だと感じ、それを形にしたいと思えたんです」

 

望月さん 「第1回目の打合せでプレゼントしてくださった伊豆川飼料のロゴ入りTシャツを、イベント当日も全員着用して、あたかも伊豆川飼料の社員のように振る舞いました(笑)。思考も形も一緒になれたことはとても嬉しかったですね」

 

伊豆川飼料さんのTシャツで国産ツナの魅力をPR

 

小俣さん 「研修担当者から『圧倒的当事者意識で』と言われていたのですが、同期も皆、その会社の社員のような意識で取り組んだと思います。その最たるものが新静岡セノバでのプレイベント。当初予定にはありませんでしたが、同期の一人がアイデアを出してくれたんです」

 

望月さん 「プレイベント実施にあたっては、運営管理を行うグループ会社に私も企画提案に伺い、伊豆川飼料チームとして試食イベントをやってみたいと伝えました。成果が出るか分からない中でもスモールdを積み上げられたことは、非常に良い経験だったと思います」

 

メンバーで企画したツナ缶の試食とアンケート実施の様子

 

越境研修での経験が日々の業務に活きる

 

 

小俣さん 「私は、まちづくりを介して静岡を盛り上げていきたいとの思いで入社したので、静岡の産業を支える企業の方々と一緒にこの取り組みができたことは、もう夢が叶ったというくらいの喜びがあります!

今回学んだスモールdはその後、普段の業務にも活きていて、前向きに仕事を捉えられるようになったり社内プロジェクトに手を挙げてみたりと、越境研修での経験が下支えになっていると感じています」

 

 

望月さん 「通常の業務では関わることのできない企業の方と一緒に、心底楽しんで課題解決に取り組めたことは非常に貴重な時間でした。

研修が終わってからは、自身の仕事へのスピード感が明らかに変わりました。それは伊豆川さんのスピードと実行力を目の当たりにしたから。提案力も身に着きましたし、課題に対していろいろな視点からアプローチすることも学べたように思います」

 

 

伊豆川さん 「若い世代の方が、この機会に我々のような小さな会社を知り、まるで自分の会社のことのように一丸となって考えてくれたことは、静岡の産業にとって非常に良かったことだと思います。

夢が叶ったなんてまだ言わないで(笑)、これからもっと静岡が良い方向に向かうよう、数年後また一緒にお仕事できるのを心から楽しみにしています」

 

伊豆川飼料さんチームメンバーの集合写真

 

※この記事は、2024年2月に取材したものです。記事中の内容や社員の所属部署・役職は取材時のものです。

 

 

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