プロジェクト紹介

みんなの100日プロジェクト

※この記事は、2022年2月に取材したものです。記事中の内容や社員の所属部署・役職は取材時のものです。

変化の激しい時代、「自分たちの会社は自分たちでよくするんだ」という想いのもと、人事部(会社側)と労働組合(従業員側)が協働して立ち上げた「みんなの100日プロジェクト」。その実態や成果について、事務局メンバーであり、自らも100プロに参加している4人に話を聞きました。

メンバー
  • 人事部人事課 住吉昂太 2015年入社
  • 経営管理部主計課 和田峻輔 2016年入社
  • 鉄道部運輸営業課 海野数多 2015年入社
  • 人事部人事課 岡村晋作 2017年入社

Q.「みんなの100日プロジェクト」はどんなプロジェクト?

住吉 「みんなの100日プロジェクト」は、会社側である人事部と、従業員側である労働組合が協働して立ち上げた、社員自らが会社をよくするための会社横断プロジェクトです。アンケートで集めた「会社がもっとこうなったらいいな」という意見をもとに課題を設定し、従業員自らが課題解決に取り組みます。

海野 社内では「100プロ」と呼ばれています。100プロには現在、副業解禁プロジェクト、男性育休プロジェクト、心理的安全性の向上プロジェクト、生産性向上プロジェクト、人事評価改善プロジェクト、福利厚生改善プロジェクトの6つのプロジェクトがあり、プロジェクトごとにチームを結成して活動しています。

岡村 その6つのプロジェクトを統括するのが私たち事務局の役目です。具体的には、アンケートの実施・集計に、課題の設定、プロジェクトメンバーの募集、各プロジェクトのサポート、活動内容の発信などを行っています。

和田 また、事務局メンバーもそれぞれプロジェクトに参加していて、たとえば私の場合は、副業解禁プロジェクト、福利厚生改善プロジェクト、人事評価改善プロジェクトの3つを掛け持ちしています。

Q.100プロに参加した理由は?

和田 プロジェクトの活動は本来の業務と並行して行うので、仕事が増えるというデメリットはあります。ただ、それ以上に、会社の課題解決に取り組む絶好のチャンスだと思って参加しました。「従業員みんながもっと働きやすい会社になればいいな」という気持ちが原動力になっています。

海野 会社に勤めていると、一緒に働いている人が辞めてしまうことってありますよね。私も何度か経験していますが、それがとても悲しくて。「今働いている人に長く働いてほしい。そのために会社をもっとよくしたい」と思うようになったのが、100プロに参加したきっかけです。

住吉 私はこの会社が好きです。いっぽうで、働き方に悩んだり、実際に辞めてしまったりした先輩や同期、後輩もいる。みんながもっと働きやすい会社にするにはどうすればいいのか、ずっと考えていました。同時に、「この会社にはまだ伸びしろがあるはずだ」とも思っていました。それで、プロジェクトの全体コーディネーターとして立ち上げから参画しました。

岡村 私は人事部人事課の所属なので、労働組合から上がってくる従業員の意見や要望を聞く機会がたくさんあります。そんななか、「会社になんとかしてほしい」ではなく、「従業員自身の手で会社を変えていきたい」と思っている人が相当数いることに気づいたんです。以来、「従業員自らが活動して変えていける環境を提供すれば、この会社はもっとよくなるのではないか」と考えていました。100プロはまさに、従業員自らが会社を変えていくためのプロジェクト。自分もぜひ関わりたいと、参加を決めました。

Q.100プロで社内はどう変わった?

海野 「自分たちの意見が、会社が変わるきっかけになるんだ」「この会社をもっとよい方向に変えていこう」という認識が少しずつ浸透しているのかなと思います。加えて、従業員同士のコミュニケーションがとりやすくなって、会社の雰囲気が明るくなってきていると感じています。

和田 私も、いろいろなことが少しずつ変わってきているなと感じています。たとえば、副業解禁プロジェクトの活動がきっかけで、限定的ではありますが、副業が解禁になりました。こうした成果を知ることで、従業員の意識が、「意見をいってもどうせ何も変わらないに違いない。だったら行動しても仕方がない」という悲観的なものから、「行動すると変わるんだ」「だったら自分も何かやってみよう」という意欲的な方向に変化しつつある実感があります。

住吉 男性の育休取得率も変わりましたよね。男性育休プロジェクトがスタートする前は、恥ずかしながら男性育休取得率0だったんですけど、プロジェクトがはじまってからは、育休をとる男性が少しずつ増えています。1年間取得した管理職の方もいます。

岡村 そうした成果の積み重ねによって、「会社の課題解決に挑戦しよう」という雰囲気が盛り上がってきて、そこがいちばん大きく変わったところではないでしょうか。100プロに限らず、何か新しいプロジェクトが発足したり、自己啓発的なセミナーが開催されたりすると、以前よりも積極的に参加してくれる人が増えました。これは、とても大きな一歩なのではないかと思います。

住吉 100プロによって、「部署の垣根を越えて会社をよくしていく」という文化が生まれたのもよかったなと思います。あと、もう1つ、とてもうれしいことがあって。育休を取得していて2年ぶりに復帰された方がいるのですが、「育休取る前とはまるで別の会社になっている」とよろこんでくれたんです。もちろん、100プロだけの成果ではないのですが、それでも、よい方向に少しずつ変わっていけているんだとわかって、うれしかったですね。

Q.100プロで自分自身はどう変わった?

和田 各プロジェクトは「副業を解禁する」「男性の育休取得率を上げる」といった大きなテーマは決まっていますが、具体的にどんなことをやるのかという部分は白紙の状態からスタートします。上司からの指示やマニュアル、前例といったものがないなか、自分たちで課題を見つけ、さらには解決策を考えて実行に移すというのは、とても難しかったです。でも、だからこそ、とてもいい経験になりました。

海野 100プロには6つのプロジェクトがあり、たくさんの人が関わっているので、いろいろな人の気持ちを今まで以上に考えるようになりました。同時に、さまざまな部署の人と関わることで社内の人脈を広げることができたのも、自分にとっては大きな収穫です。また、100プロの活動は普段の業務と並行して取り組む必要があるので、普段の業務をより効率的に進めようとする意識も養われました。

住吉 個人的に成長できたなと思う点はいろいろとあるのですが、上下関係などがないなかで意思決定するプロセスを体験できたのは、自分にとって大きな学びとなりました。普通の業務なら、意見が割れたときには上司が最終的に方向性を決めたりしますよね。でも、プロジェクトのメンバーは、年齢や社歴、職位は違うものの、基本的にはフラットな関係性なんです。誰か1人が決めるのではなく、みんなが納得する答えを見つけて合意形成していくという経験は、普段の業務では案外できないので、非常に貴重でした。

Q.これから“静鉄”をどんな会社にしていきたい?

海野 100プロという形でなくてもいいと思いますが、従業員の声を吸い上げて、さまざまな課題を従業員自らが解決していくという体制は、今後も継続していけたらいいですよね。また、私自身としては、100プロのようにいろいろな部署の方と協働できるプロジェクトがあったら、積極的に参加していきたいなと思っています。

和田 従業員が自主的に、自分の業務以外のことにも挑戦できるような風土を育んでいけたらいいですよね。また、会社側としても、そうやって挑戦する社員に対してできる限り応援できるような体制を構築できればと思っています。

岡村 従業員一人ひとりが課題を見つけて、「こうしたい」「こうなりたい」という思いのもと挑戦できる会社は、すごく強いと思うんです。ですから、そういうことができる場なり、体制なりを今後もつくっていきたいですね。

住吉 「みんなの100日プロジェクト」は、「みんなの」という言葉が入っていることがポイントなんです。社長や幹部職といった上層部だけでなく、従業員も一緒になって自分たちの仕事や生活をよくしていける、そんな風土をつくり上げる第一歩が100プロだったと思います。100プロという形がたとえなくなったとしても、「みんながつくる会社」という風土づくりは、これからも引き続き行っていければと考えています。